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Ⅶ
「四十でいいんだな? そいつは俺が買う。傷をつけないでもらおうか」
「いでででっ!! わかりやした、申し訳ありやせん!!」
男は人買いの脂ぎったその腕を強く掴み上げると、苦痛を漏らすウェリーを解放させた。
その後、彼は懐から金貨が入った袋を取り出し、人買いに渡した。
「えへへ、まいど。それでこいつは何に使うんで? 危険な煙突掃除ですかい? それとも性奴隷にでもしやすか? こいつはオメガなんで孕むことに関しちゃ逸品ですぜ?」
男は汚らしい物言いをする人買いが気に入らないのか、鋭いその眼孔で睨みつけた。
その視線は恐ろしく険しい。
射殺すほどの力はあると、ウェリーは思った。
「っひぃ! わ、わかりやしたよ。睨まねぇでくだせぇ! ほらよっ!!」
人買いは怯えながらもウェリーの両腕から鎖を外すと忌々しそうに去って行った。
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