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「四十でいいんだな? そいつは俺が買う。傷をつけないでもらおうか」 「いでででっ!! わかりやした、申し訳ありやせん!!」  男は人買いの脂ぎったその腕を強く掴み上げると、苦痛を漏らすウェリーを解放させた。  その後、彼は懐から金貨が入った袋を取り出し、人買いに渡した。 「えへへ、まいど。それでこいつは何に使うんで? 危険な煙突掃除ですかい? それとも性奴隷にでもしやすか? こいつはオメガなんで孕むことに関しちゃ逸品ですぜ?」  男は汚らしい物言いをする人買いが気に入らないのか、鋭いその眼孔で睨みつけた。  その視線は恐ろしく険しい。  射殺すほどの力はあると、ウェリーは思った。 「っひぃ! わ、わかりやしたよ。睨まねぇでくだせぇ! ほらよっ!!」  人買いは怯えながらもウェリーの両腕から鎖を外すと忌々しそうに去って行った。

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