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ⅩⅣ

 おかげで芽生えてしまったこの感情はとても厄介なものになった。  彼の姿が見えない時はいつだってゼフィールのことを考えるようになったし、彼に抱かれる夢を見るようになった。  自分はいったい、いつになったら殺されるのだろう。  いっそのこと、すぐにでも食べられてしまえばいいのにーー。  ウェリーの心は散り散りに乱れ、限界を迎えていた。  だからある日の夕食時に、ウェリーはとうとう口を開いた。 「ゼフィール、まだぼくは食べ頃ではありませんか? 背だって伸びました。体は相変わらず痩せっぽっちですが、これでも前よりはずっと肉付きもよくなりました。お願いです。これ以上ぼくを傍に置かないで」  思わせぶりなことをせず、いっそのこと里親や人買いのように、殴ったり髪の毛を引っ張ったりと酷い仕打ちをしてくれればよかった。

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