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ⅩⅨ

「……だって! ゼフィールは優しいです!! それに月曜日。決まって貴方は外出します。恋人に会っているからじゃないんですか?」  苦笑を漏らす彼に、ウェリーは首を振る。  新たな涙が目から溢れ、頬を伝った。 「その日は国王に止血剤になる樹液を売りに赴いているだけだ。まったく君には敵わない。愛しているよ。心ごと誰かを欲したのは君が初めてだ」 「愛!? でも! 貴方は一人で外出するなとおっしゃいました。ぼくを殺す機会を窺っていたんじゃ……」 「それはーーウェリー、君はそろそろ発情期が近いんじゃないか? 日に日に美しくなっていくから、他の連中に襲われないようにと思って言っただけだ」 「えっ?」  外出を禁ずる命令はてっきり殺されるための算段だと思っていた。  ああ、何ということだろう。自分は彼に愛されている!  思いもしなかった告白に、ウェリーの胸は高揚感で満ちていく……。  頬を伝う涙が止まらない。

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