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第6話
学祭の次の日。
「次、バスケらしいな。」
体育で順番待ちをしつつ、渋谷と座ってると上條がきた。
「…………上條。」
珍しいな……
上條の方から渋谷の所に来るなんて……
ツンデレはやめたのか?
いつも渋谷が誰かと仲良くしてると、不機嫌になったり冷たくしてたくせに……
ついに天邪鬼卒業か……?
上條は少し考えてから、渋谷の隣に座った。
お!おー!行った!!
上條。やれば出来るじゃないか!
お前は頑張れる奴だと思ってたぞ!
上條の緊張が伝わり、俺まで緊張してしまう。
里奈ちゃんいたら、興奮もののワンシーンだな。
だけど、二人共、無口……
…………あれ?
上條も渋谷も顔赤いな……
なんだ。この甘い空気は……?
まさか……!まさか……
同室なのをいい事に……
遂に……ヤッたのか!?
「ぶっ!ゴホゴホ……」
タイミングよく上條が咳込んだ。
上條の事だから……
ヤッたとかではなく、もしかしたら告白したのかもしれない。
渋谷は下を向いて真っ赤になってる。
渋谷はノンケだけど、この様子……
もしかしたら、もしかするかもしれない!
そうか。そうか。
男にモテすぎで心配してたけど、同室の上條に落ち着いたのか。
上條はヤキモチ妬きだけど真面目な奴だから、きっと大事にしてもらえるだろう……
なんとなく嬉しくなって二人を見つめた。
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