「んんっ……っんくっ…っ」 ローションと愛液の混ざったはしたない水音と純の呻き声が部屋に響く。 いつもと違う部屋、匂い。 夫ではない男の体温、触れ方。 そのどれもが、純の夫への一途な気持ちを引き裂こうとしてくる。 どんなにやめてほしいと懇願しても全く聞き入れてもらえず、士郎の手は容赦なく純を攻め立ててきた。 後孔をぐずぐずになるまでほぐされ、勃起した陰茎を何度も扱かれて、乳首を捏ね回され何度も強制的に絶頂を味わわさる。 まるで一途な愛なんて快楽には敵わない事を思い知らせるように。 士郎の思惑通り、容赦のない攻め手に純は理性を保つのに必死だった。 「わかりますか？奥さん。ここ、今俺の指を4本も咥えてるんですよ？」 追い討ちをかけるように、後孔に埋まっていた指がぐちゅぐちゅと中を搔きまわしてくる。 内側を目一杯拡げられながら媚肉のあちこちを擦られて、純は腰を揺らしながら涕泣を漏らした。 「や…っ…やめ…っあぁあっ…ううっ」 こんなのもはや暴力と一緒だ。 絶対に屈するものか。 純は唇を噛み締めると必死に声を押さえこむ。 「なかなか強情な人だ。だけどそろそろ納得してくれないと穏やかに解決できませんよ」 そう言うと、士郎は純の後ろからズルリと指を引き抜いた。 それまでぎゅうぎゅうに中を埋めていたものがなくなって、急激に喪失感に襲われる。 後孔が切なげに蠢き、ハッとした純はストッキングを穿かされた両足を擦り合わせて隠した。 そうこうしているうちに、士郎がベルトを外し前を寛げると、純の胸の辺りに跨ってくる。 ずっしりとした重みに呻くと、何かがぶるんと目の前に飛び出してきた。 純の目が大きく見開く。 それはガチガチに勃起した士郎の肉棒だった。 「ほら、欲しいでしょ。コレが」 士郎が凶悪なほど色気を含んだ声で訊ねてきた。 血管を浮き彫りにし、雄々しくそそり勃ったものが純の目と鼻の先でぬらぬらと光っている。 先端の窪みから僅かに濁ったカウパーが滲み出てきて、純の頬や鼻先を濡らした。 濃い雄の香りにクラクラと目眩がする。 ダメだ。 反射的に顔を逸らそうとすると、今度は肉棒の先端がぴたりと唇にくっつけられた。 独特の青臭いものが鼻腔から一気に雪崩れ込んでくると、純の身体をあっという間に蝕んだ。 「は…ぁ…はっ……はっ」 荒い息が漏れ、半開きになった純の唇の端から唾液が溢れる。 無意識に舌先が伸びて、滲み出るカウパーを掬ってしまった。 違う。 欲しくない。 欲しくなるはずがない。 そう思っているはずなのに下腹は激しく波打ち 、隠した後孔が激しく収縮する。 これが挿入ってきたらどうなるんだろう。 これに奥まで貫かれたらどうなるんだろう。 いつしか頭はそんなことでいっぱいになっていた。 「ほしい」 つるりと出てきた純の言葉に士郎がニヤリと笑う。 「どこに？」 陰茎で頬を打たれながら問われなけなしの理性が一気に崩れ落ちる。 純はとうとう屈服した。 ストッキングを穿いた足を広げると、穴の開いた部分に手を伸ばし、中指と薬指を使ってヒクつく粘膜を広げて見せる。 「ここに…」 勃起しきった肉棒が、蕩けてぐずぐずになった後孔に押入ってきたとき、やっと塞がった喜びで純は挿入の刺激だけで達してしまった。 「まっ…って…っまだっ…ああああっ」 イッている最中にも容赦なく突き上げられて、何が何だかわからなくなる。 半ば半狂乱になりながらテーブルにしがみつくと純は泣き叫んだ。 士郎の激しい動きにテーブルに乗っていたコーヒーカップは倒れ、中身が床に飛散している。 それでも男は何度も純を深く激しく突き上げてきた。 吐き出した精液で辺りを散々汚しあいながら、ソファで、床で、テーブルの上で、何度も、何度も。 そして、日が昇るまでその欲望が止まる事はなかったのだった。