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第2話

「……………」 和巳はドアを開けて俺の顔を見た瞬間、絶句した。 だが、俺の腕に毛布に包まれ、抱えられている優紀に気付くと、顔色を変えてすぐ俺達を部屋の中に入れてくれる。 「…悪い…ここしか、思い浮かばなくて…」 「…眞司…」 「…気が付いたら…連れて逃げてた……少しの間でいいから…ここに置いてくれないか?落ち着いたら、出ていくし…迷惑はかけないから…」 優紀を抱えたままそう言った俺に、和巳は嬉しそうにニッコリと笑う。 「何、言ってんだ。遠慮すんなって…あ、とりあえず優紀、ここに寝かせろよ。すぐに部屋、用意するからさ」 ソファーを指差した後、いそいそと部屋を用意しようとした和巳を呼び止める。 「…あ、悪い。その前にバスルーム借りていいか?」 優紀の身体を洗ってやりたかった。 あの場所からそのまま連れ出した優紀の身体は、酷い状態になっているはずだ。 「…あ、うん。そうだな。あ、場所、知ってるだろ?後で着替え、持っていくから」 「悪いな」

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