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第18話

「優紀!!大丈夫か!?」 ノロノロと鍵を開けると、扉を叩いて叫んでいた和巳は部屋の中を見た途端、顔色を変えてベッドの上で気絶している優紀に走り寄る。 「…優紀?優紀!?」 「…良すぎて失神しているだけだから、大丈夫。心配いらないさ」 「…お前は……っ!!」 俺の言葉に和巳は振り向くと、手を振り上げて俺の頬を叩いた。 和巳の手を避ける事は簡単だったが、俺は避ける事なく叩かれた。 「…何の為に、優紀を連れて逃げてきたんだ」 「……………」 俺は叩かれた頬もそのままに俯いた。 「昔、優紀にした事を反省せず、繰り返すつもりなら出ていってくれ」 ドアを指差して和巳が言う。 俺は少しの間、言葉もなく項垂れていたが…。 「…優紀が…兄貴の元に帰るって…」 「………え?」

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