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第27話

「簡単なやつならストラップとかアクセサリー系だな。」  浅田さんが指している棚を見ると、イヤリングやストラップ、ネックレスなどの小物雑貨が並んでいる。三角形や長方形といったシンプルな形でガラスは1〜3種類程使用しているみたいだ。 「カッコいいですね。」 「ならよかった。どれがいいとかあるか?」  浅田さんは俺に対しても気さくな口調になった。大人の男性から親しい口調で話しかけられるとこそばゆいが嬉しくなる。 「ん〜……。」  色々とあって悩む。いつくか気になるのはあるが、絞れない…。そういえば、以前七瀬さんは小物作りを手伝ったって言ってたな。 「この中に七瀬さんが手伝った物とかあるんですか?」 「俺が手伝った物?うん、あるよ。」  後ろから覗いていた七瀬さんに尋ねると、すっと俺の隣へ並び、沢山ある商品から2つを指差す。 「ハンダをさせてもらっただけだけどね。」と気恥ずかしそうに七瀬さんは言った。ハンダとはガラスの周りを縁取っている銀色の部分の事だそうだ。 小さい正方形がジグザグ階段状にデザインされているストラップと、もう一つは3㎝程の二等辺三角形ネックレスだった。1つは俺が気になっていた物で、それを手に取る。   「これ、いいですね。」  俺は南島の海のような色をした二等辺三角形のネックレスを目の前にぶら下げて見る。光が入ると透明感がさらに海を連想させる。海の一部を切り取ったような、シンプルだけど好きな色、形だ。   「いいんじゃないか?これが一番簡単だ。別にネックレスじゃなくても、先変えればストラップとかブレスレットとかにもできるぞ。」  浅田さんが色々と教えてくれる。一番簡単だと聞いて、さらにこれがいいなと思った。 「七瀬さん、これにしようかなって思ってるんですが…、いいですか?」 「勿論。風間君が作りたいのを一番作ってほしいからね。」  七瀬さんが笑顔で同意をしてくれたので、浅田さんにこれでお願いしますと頼んだ。

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