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母親からの電話ー3(R)
急に抱きしめられたと思ったら、耳の後ろを舐められた。びっくりした湊斗が身をよじる。だが、アディはそんなこと気にならないのか、飽きずに首筋や鎖骨の窪みに尖らせた舌をくじらせてくる。
「ちょ…待て、アディ!なぁ、こういう事されるには、俺はやっぱり育ちすぎじゃないのか!もっと……俺が小さくて可愛い頃なら良いけど、でも俺もう……母さんだって早く結婚しろって言ってただろ?俺、もうそういう年なんだよ?」
「ああ、男っぷりが上がってとても魅力的だ」
「みりょ……、え?もしかして悪魔って、ふっ、経験値を積み重ねている魂の方が、……っ、食べでが、ある、のか……っ?」
喘ぎ声と共に繰り出される小さな疑問に、アディは小さく笑った。
「集中して?」
「んんっ!」
べろりと胸の傷を舐められる。先程の電話で傷ついた胸を丹念に舐められ、まるで我慢できないとでも言いたげに、胸元に齧りつかれた。いくつもいくつも所有の証が刻まれていく。それが、湊斗の胸を震わせる。
「あっ!アディ、アディ……っ!」
胸の突起をねっとりと口に含まれ、いつまでも舌先で転がされると、その焦れったさに湊斗は胸を押しつけるように姿勢を変えた。
「お前の魂を食べるような真似はしないよ」
「でも…っ!」
もしかしたら、さっきまで湊斗の魂は黒すぎたり濁りすぎていたりしたのかもしれない。こうやってアディに胸に浮いた傷を舐め取られて初めて、湊斗の魂は悪魔好みの魂になるのだろうか。
なら、傷を舐め取って、綺麗になったうちに食べて貰いたかった。アディの好みの魂でいる間に。
「なぁ、そんな事言うなよ。食べるよな?ちゃんと俺を食べてくれるんだろう?」
「ふふふ。そんなに私に食べられたいのか?」
アディの口元から覗く赤い舌があまりにも淫靡で、湊斗はきゅっと目を瞑った。目を瞑っていても、アディが笑っているのが分かる。そのままアディは湊斗の前に跪き、下着ごとズボンを下ろして、先端に舌を這わせた。
「んっ!」
くちゅり、ぬちゅりと、甘く湿った音が辺りに響く。アディは熱心に、ロリポップをしゃぶるようにそれを舐めしゃぶった。
「ああ、自分から誘うだけあって、湊斗はとっても美味しいね」
「やっ!そ、そういう意味じゃなくて!」
「もっと食べても良いんだろう?」
「ちが…っ!んぁっ!あ、アディ……!!」
くちゅくちゅと頬張り、甘噛みしながら吸い上げられると、湊斗はもう堪らなかった。
「んんっ!アディ、や……っ!だ、ダメ!それ、俺すぐイっちゃうから……!」
「いいよ、いつも言ってるだろ?いくらでもイって良いから……」
「ちが…っ!あぁ!アディ、アディ、あぁあぁぁ!」
湊斗が吐き出す白濁を、アディは旨そうに喉を鳴らして飲んだ。そうして満足そうに目を細めると、湊斗を洗面台の上に座らせて右脚を台に乗せて脚を立てさせ、尻から膝裏に向かって太ももを撫でていく。
「メインディッシュの前に、ここでアペリティフをいただいても良いんだろう?ああ、湊斗。たっぷりと味わわせて貰うよ?」
アディの宇宙のような藍色の目が真っ直ぐに湊斗を捉え、赤い舌を見せて舌なめずりをした。
湊斗の体がゾクリと震えた。
もちろん、それは恐怖の為ではない。
「アディ……」
震える声は、アディを欲しがる欲望に濡れている。
「湊斗。私の運命。愛しているよ」
その深い声に誘われ、湊斗はそっと目を閉じた。
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