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母親からの電話-5(R)
優しく唇を啄まれ、下唇を軽く噛まれる。そのまま舌が口腔内に押し入る時、後ろに指が差し込まれた。
「あ…っ!」
「もう痛くないだろう?」
「……ふぁっ」
腰が軽く浮いているから、痛みはない。だが、いつもと違う姿勢をしているせいか、腹に力が入り、足が攣りそうになった。
「アディ」
縋るようにアディを見ると、アディはクチクチと後ろを拡げながら、励ますように顔中にキスを落としてくる。
「ほら、もう少ししっかり掴まって」
「ああ…」
ぎゅっと抱きついた首元に舌を這わされ、首筋を甘噛みされる。背中に腕が回り、しっかりと支えてくれていると分かっていても、アディに縋りつくしかない今の状態は、かなりクる。
「なぁ、やっぱり、ここでするのか?」
「ああ。素晴らしい景色だよ。すごく興奮する」
アディは嬉しそうに笑いながら、窮屈な湊斗を思う様舐め回す。胸の突起は、特に念入りに。
「ふぁ…」
「湊斗は、胸が好きだよね」
「……アディが、こんな体にしたんだろう?」
その台詞はアディの気に入ったらしい。美しい目を輝かせ、真っ赤に色づいた唇をニッと横に引いた。
「そうだよ。お前は私のご馳走だもの。ああ、後ろもトロットロだ。この中に入ったら、きっと素晴らしいだろうね」
アディはそこに自身を少しだけ押しつけ、その感触を楽しんだ。そんな風に押しつけられるばかりなんて、ひどい。
「アディ、もう…」
「うん、でも、ほら」
先端だけをぬくぬくと出し入れされ、そのたびに湊斗の体は期待に震え、アディの体を離すまいとしがみつく。
「ああ、気持ち良いよ。コレを中に入れたら、湊斗、どうなっちゃうんだろうね?」
「…っ」
「中がほら、蕩けそうだ。痛みはないよね?きっと私に纏わり付いて、すごく優しく包んでくれるんだろうな」
「……アディ、そんな……」
「ほら、君の前立腺。あそこを、思いっきりこすってあげるよ。それより、奥をとんとんってする方が良い?ね、湊斗?どっちが好き?」
これから行われることを丁寧に口にされると、それだけで、まるでそうされたような気持ちになる。
「ああ、アディ、早く……」
「これだけトロトロなんだ、あっという間に飲み込んでしまうよね?湊斗はとっても感じやすいから、ひょっとしたら挿れただけで、すぐにイっちゃうかもしれないな」
「も……言うなよ……っ!アディ、焦らすな……!」
「焦らす?焦らしたりなんかしないよ?……ほら!」
「あぁあぁぁっ!」
アディの言葉通りそこはトロトロで、腰を少し押しつけただけで、何の苦も無くアディの大きな塊を飲み込んでいった。
それが、堪らなく気持ち良い。アディの形まではっきり分かるほど、湊斗の中はアディに絡みついた。
「あぁ、すごく気持ち良い……。私にこんな歓びを与えられるのは、湊斗だけだよ」
アディの声が欲望に滲み、うっとりと湊斗の体を揺する。ゆっくりとした抽挿は、湊斗の中に不思議な充足感を与えてくれた。
「アディ、すごい……俺の中が、アディでいっぱいになってる……」
「そうだよ、湊斗。私達は今、ひとつになっているんだ」
アディが自分の中にいる。それだけで、体の底から震えそうな歓びがこみ上げてくるのだ。
「だが、そろそろ私も限界だ。動くよ、湊斗」
そう言うなり、アディは猛然と腰を使い始めた。
「あぁ!アディ、そん……あぁ!激し……っ!!」
「湊斗、湊斗……!」
ぐっと腰を押しつけられると、壁に押しつけていた頭がガクリと崩れそうになる。それをすかさず抱き起こし、湊斗を抱きかかえたままアディが湊斗の体を上下に揺する。
「や、やめろ、アディ!」
「え?なんで?」
「だってこれ、駅べ……」
真っ赤になってアディの胸をどんどん叩いても、分かっているのかいないのか、アディは逞しい腕で湊斗を良いように揺すり回す。
「~~~~~~~~~~!」
自分の体重でいつもより深くアディを迎え入れてしまい、湊斗は必死にアディの首にしがみつき、声もなく感じまくるしかなかった。
「ああ、湊斗、このままここでする?それとも移動しようか?」
「っ!も、もうや……っ!!」
「でもそんなに感じまくってくれたら、一回で終われる気が全くしないんだけど?」
「~~~~~~っ!!」
「ダメダメ。ちゃんと呼吸して、湊斗。ん、良い子」
「!!」
堪えきれずにトプリと精を吐き出すと、アディは子供にするように湊斗の背中をポンポンとあやした。
「じゃあ、これからが本番だね?」
アディの目が妖しく光る。湊斗はアディの目を涙目で睨み……それから、ゆっくりと唇を交えて、小さな声で「もうあんたの好きにしてくれ」と無駄な抵抗を止めた。
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