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第6話 『会いたい』
12月24日。
今日はクリスマスイブで朝から大忙しでクリスマスのご馳走や飾り付けを家族総出で行なっていた。
キッチンに立つ母の隣で洗い物をしているお父さん。
僕はというとリビング置いてあるツリーを夢中になって飾り付けていく。
キッチンで、鼻歌交じりに料理していた母が「そういえば……」と、ぽつり漏らした呟きに手が止まる。
「今日は晴輝くん来ないの?」
「……うん。誘ってないから」
自然と笑って返したかったのに、自分でも分かるほど声は沈んでしまう。
「あら残念。お母さん楽しみにしてたのに」
今頃、ハルは何をしているんだろう?
(クリスマスだし皇さんと一緒なのかな……)
二人の仲睦まじい姿を想像してチクリと胸が痛む。
(あぁ、嫌だな)
せっかくの楽しいクリスマスに浮かない顔をしてしまう自分が。
ハルと一緒にいるであろう皇さんを妬んでしまうこの気持ちが。
自分の澱んだ感情が嫌になる。
『何かあったら俺の名前を呼んで』
ハルに会いたいって言ったら、ハルは本当に来てくれる?
僕の為に、会いに来てくれるのかな。
(ハルに、会いたいよ――)
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