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第13話 窓の外は

 カーテンを開けた先に見えた外の景色。  ふわり、ふわりと舞い落ちてくる白い塊。  地面は、薄ら白く染まっている。  それが、雪だということはすぐにわかった。    昂る感情を落ち着かせるようにゆっくりと窓を開ける。  瞬間、風が吹いて舞っている雪が部屋に入ってくる。 「わぁ~、すごい!」  寒さなんて忘れて、窓の外へと手を伸ばす。  しんしんと降り続く雪の結晶が、手の平に落ちて、やがて溶けて消えていく。  生まれて初めて触る雪の感触に心が躍る。  それは、すぐに溶けてなくなるけれど確かに一粒一粒は冷たく、けれど心はホクホクと温かい。   「綺麗」    初めて目にする雪の景色。  首都圏に住んでいる雪兎にとって、雪を目にすることは殆どなかった。  絵本や教科書の中でしか見たことがないその光景を今目の当たりにしている。  外の道は白く染まり、住宅の家々の屋根にも薄く降り積もる。    少しだけなら、許されるだろうか。  この雪の中を歩いてみたい。  ハルに会いたいという気持ちへ更に上乗せされて、突き動かされる。 (大丈夫、少しだけ……)  窓を閉じカーテンを閉める。  寝ている両親を起こさないよう静かに外着に着替える。    手には、ハルへのクリスマスプレゼントを持って、静かに部屋を出た。

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