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第30話 番契約②(side.???) ※

 意識を飛ばした雪兎だが、しかし、男はまだ満足してはいないのだろう。  ぴくりとも動かなくなった少年の腰を持ち上げ、ピストンを緩めない。  名前もどこの誰とも知らない子供(ガキ)相手に……と思いながらも目の前で意識を失うこの一切の穢れを知らなそうな無垢な少年を自分の手で汚したくて堪らない。  ベッドに散乱している使い捨てのコンドーム。  もう何回目かの行為に及ぶ末、予備はなくなり、ナマで少年の後孔を貫いている。 「チッ、やべえなこの匂い」  男はアルファだった。  偶々、通りがかった公園で見つけたこの少年。  一目見て、運命だとわかった。  『運命の番』  今では都市伝説とされている。  アルファとオメガにのみにある番関係よりも、強固な繋がり。別名『魂の片割れ』とも言われている。  出会ったら必ず惹かれ合う。  そんなくだらない話ある訳ないと、かつての自分は鼻で笑っていた。  なのに……実際はどうだ。  目の前の少年の名前が知りたい。もっと声が聞きたい。俺の名を呼ばせたい。今すぐこいつを番にしたい。孕ませたい。  オメガのフェロモンに耐性はあった。  今まで一度たりともフェロモンに当てられたことはない。  それが、覆された瞬間。欲に負けて項を噛んで番にした。  後悔など一切ない。  寧ろ、番った瞬間少年からより強く甘い香りが部屋に充満して、一向に昂りが冷めない。  少年のアナルから、とぷりと先程吐きだした精液が溢れる。 「おら、零すな」  まるで、溢れるそこに蓋をするように。  ぐちゅり、と音を立てて奥に腰を打ち付ける。   「んぅ……」  意識を失った少年の口から漏れた声。  声を聞いただけで昂る中心の熱。  その身体に己の形を覚えさせ、幾度となく子種を注ぐ。  俺なしでは生きていけない身体に変えさせて。  一生逃がすものかと、再び項に嚙みついた。

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