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第31話 目覚めと絶望① ※

 ゆさゆさと揺さぶられる身体。  なんだか、体が重いしだるい。  ぱちゅん、ぱちゅんっ、何かを打ちつけるような音がして目を覚ます。  開いた瞼の先に見えたのは、知らない男の顔。 「ひぁ、あっ……!」  驚きの声は、掠れた喘ぎ声に変わる。  一瞬、目の前のことが理解できなくて。 「やっと起きたか」  男の声で意識が引き戻された。  ずんっ、ずん、と揺れる身体は、男がさっきから動いているから。  生臭い匂いが鼻をつく。 「は、出すぞ」 (なに……) 「っ……」 (なにが、おきてるの……?)  寝起きの上手く働かない頭。  男が、ずんッ! と腰を押し付ける。  その直後、お腹の中に温かい何かが流れ込むような。 「や…………ぅ、ぁ……」  びゅくびゅくと、熱い何かがお腹の中で蠢く。  まるで、擦り付けるように男の腰が動いて。  ゆっくりと、お腹から圧迫感が抜けていく。  お腹に溜まっていた何かが抜けた直後、お尻に違和感を感じた。  こぽッ、と音を立てて何かがお尻を伝う。 「あーあ、勿体ねえな」  雪兎の後孔は、ぱっくりと口を開いてそこから白濁の液が零れていた。  身体の至る所に散らばる鬱血した痕。 「ぁ…………や、……やだっ……!」  ドクドクと脈打つ心臓の音。  裸の男と、裸の自分。  後孔から垂れる生暖かい何か。  悪い夢であって欲しいのに、それは全て現実で。    自分が求めたのは、ハルではない。  目の前の顔も名前も知らない男だった。

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