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第51話 異様な空間(side.桐原)
厳重な見張りの数。
その奥にある一室のドア。
外からかけてあるロックを解除して部屋に入れば、奥にベッド、そして机と椅子が数個あるだけのなんともシンプルな部屋だった。
京極組の構成員でも普通の人とは違う。
無駄に厳ついだけの男とは違い、容姿が抜きん出ている彼らがそこにいた。
「お待ちしておりました」
まるで執事のような出で立ち。
常に霙の傍にいる、碓氷くんに似たその男は流麗な所作でベッドへと案内する。
部屋の中には先程の男も合わせて4人の男たちがそれぞれの位置にいて、皆若く初めて見る顔だった。
「お前たちは外せ」
霙のその一言で4人の男はすぐに部屋を出ていく。
その忠実さは正に異様だ。
ベッドには天使のような綺麗な男の子が汗をかいて苦しそうに魘されていた。
真っ白い肌に真っ白い髪の毛。
初めて診るアルビノの少年。顔は火照って熱があるのがひと目でわかった。
すぐに医療用バッグを開けて診察を始める。
どうしてこんな子が霙の家に囲われているのか、気になる気持ちをぐっと抑え込む。
手早く診察を済ませ、解熱剤の点滴をつける。
身体中の至るところにある鬱血痕と噛み跡は痛々しく、この原因が霙だというのはすぐに理解が出来た。
この子も霙の虜となって抱かれに来たのだろうか?
まだ幼い少年にも手を出す霙に怒りがわく。
後処理もしていない少年のお尻は切れて赤くなっていた。
お尻にも簡単な処置をして、布団をかけて休ませる。
それにしても、だ。
先程から椅子に座ってでギロリとこちらを静観している霙に「なんでお前がいるんだ」と、詰め寄れば「見張りだ」と意味不明なことを言っていた。
診察するのに見張りなんて、必要ないだろと思いながらも霙に尋問する。
「未成年に手を出すのは犯罪だって、前に言っただろ?」
以前にも未成年の女の子に手を出したと聞いたことがあるが……。
世間では立派な犯罪だ。
だが、それを許されているのは霙が警察をも従えている日本の頂点に君臨する男だからだ。
霙の前では法など関係ない。
霙が無実だと言えば皆納得する。
警察は最早、敵ではない。寧ろこちら側。
日本にいて、この男に楯突くものなど誰一人としていない。
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