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第74話 超高層階の要塞
「いいだろう、着いてこい」
そう言って京極さんが立ち上がり入口のドアのロックをスマホで操作して開ける。
雪兎も意を決して、椅子から立ち上がりドアへと向かった。
部屋の外は廊下になっていて、二人のスーツを着た男の人たちが両側に立っていた。
「行くぞ」
京極さんに肩を抱かれるまま歩く。
二人の男性はただ静かに頭を下げている。
それだけで、京極さんが偉い人なのだと改めて実感する。
肩を抱かれたまま、さらに厳重なドアのロックを解除していく京極さん。
まるで要塞だ。
敵の侵入なんて一歩たりとも許さない。
逃げることすら不可能な造りと周到さ。
こんな所に自分は囚われていたのだとわかるとゾッとしてしまう。
エレベーターホールに着くと、そこにもスーツを着た厳つい顔の男の人が二人いた。
そのうちの一人が、エレベーターの下矢印のボタンを押す。
その上に書かれているフロア階数を見て絶句してしまう。
65階、とそこには書かれている。
そんな超高層階だったことも知らずに今まで過ごしていたのだ。
上のボタンがないということは、ここがこのビルの最上階だろうか。
雪兎自身、高所恐怖症という訳でもないが、あまりの高さに足が竦みそうになる。
窓がないことだけが唯一の救いだろうか。
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