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第4話

 怒りの力とは凄まじいものだ。  文庫一冊分の小説を五日で書き上げてしまった。  元々筆は早い方だが、最短記録を更新だ。  さて。書いた原稿はどうしよう?  憂さ晴らしのためだけに書いたものだから、このままお蔵入りさせてもいいんだけど……。  でも、どんなものでも何か書いた時は見せてくれと、担当さんに言われているしな。  駄目なら駄目でボツ食らうだけだし、一応送っておくかな。  えっと……。  担当の内村さんへ。  憂さ晴らしとは書けないので、思いつきで書いたと言う事にしておこう。  お手すきな時にでも読んで下さい。  送信。  憎き勝にクズ勇者サールの話を読ませ、精神的ダメージを喰らわせる事ができないのは残念だが、一応心の区切りもついた事だし、連載中の小説の続きを書こう。  剣と魔法とハーレムな話。  純潔と自愛担当のスレンダーボディなエルフ。爆乳でお色気担当のダークエルフ。巨乳な人 狼族の元気娘。口数少ない人形のような人間の双子姉妹。  一番人気はお胸がささやかな双子姉妹。妹だ。  因みに俺の一押しキャラはパーティの見守り役の渋いおっさん騎士。  俺の萌え要素を惜しみなく叩き込んだからね。  黒髪短髪。無精髭生やしていて、顔から身体から傷だらけ。筋肉ゴリラで大剣使い。口数は少なく、ぶっきらぼうだが、実は優しい。  ああ、良い。渋いおっさん騎士。抱かれたい……。  ゴツイ手で嬲られたいな。  打ち止め知らずな巨マラにガン掘りされて『だめ、壊れちゃう!』とか言ってみたい!  うへへへっ。  うへへへっ。  じゅるり。  ……。  …………。  ………………。  いかんいかん。  二十歳未満お断りな妄想を始める所だった。  おっさん騎士とのあれやこれやは夜のおかずに取っておいて、我が子達を冒険の旅へ向かわせねば。  今日は頑張って、皆を隣町まで連れて行くぞ!

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