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第2話
遡る事数時間前。僕は珍しく早めに美容院が終わったので足早に帰宅した。昼間の事実を問いただすために焦っていたのかもしれない。自分が帰宅した時にはまだ優真は帰っていなかった。
「まだ六時じゃ帰ってないよな」
いつもなら僕の方が遅いくらいなのに、こんな時に限って店長の許しが出た。静まり返った部屋。僕は落ち着かず行ったり来たり。夕食の準備すら忘れてひたすら帰りを待った。
「ただいま」
そう聞こえたのは八時近くなっていた。僕は一人ビクンと身体を震わせソファから立ち上がった。
「うわっビックリした」
優真が部屋の明かりを点け僕に視線を送ると驚いた表情でこちらを向いている。
「どうしたの明かりも点けずに……今日は早かったんだね」
優真はいつもと変わらない態度。表情にも違和感はなかった。僕は暫く黙ってその場に立ち尽くした。
「陽向? 具合悪い?」
最初に第一声は多分自分でも聞き取れないくらい小さかったと思う。
「え? 何?」
「昼間どこにいたの?」
苦し紛れに出した声は多分普段よりワントーン低かったと思う。
「昼間? なんで?」
いつもと変わらない優真の態度が僕をより熱くさせた。足元を見つめていた視線を目の前の優真に変え睨みつけると優真は黙った。
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