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第7話
秘訣って男同士だよ僕等……。そう言うと優真は笑って答えた。
「素敵だって言われたんだよ。憧れるって」
優真は照れくさそうにそう教えてくれた。嬉しかったんだって笑って……。
「直ぐに追いかけようと思ったけど、大嫌いなんて言われたの初めてだったからショックでさ」
優真……。
「追いかけた時にはもういなくて……どこ探してもいないから」
そう言って僕を抱きしめた。
「ごめん……」
謝るのは僕の方なのに、先に謝られたら何も言えないよ。
「ごめんなさい……」
それでも謝らなきゃ……。僕は掠れた声で謝罪した。外はまだ雨? 僅かに聞こえる雨音が耳をうつ。
「雨まだ降っているの?」
何気ない言葉……。優真はカーテンを開けて窓の外を見た。
「もう三日降り続けてる」
本当に三日も眠り続けてたのか僕は。まだボーっとする中、優真の体温が恋しい。
僕は優真に手を伸ばす。
「陽向?」
僕の顔は多分、泣きそうな顔をしていたろう。優真はそっと伸ばした手を取り、抱きしめてくれた。優真から伝わる体温が僕を落ち着かせる。もっと感じたい。もっと触れたい。僕はそんな衝動に駆られた。
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