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第8話
「抱いて……」
気が付けばそんな事口にしていた。優真は困った顔をする。
「まだ熱下がったばかりだよ? 俺がどれだけ心配したと思っているの?」
分かっている。それでも今欲しい。
「抱いて」
半分泣いていたんじゃないかな。優真は溜息を吐いた。でも僕を抱きしめ唇を重ねる。
最初は触れるだけの優しいキス。一度顔を見合ってもう一度重なったそれは深くて甘いキス。僕は全てを優真に任せて目を閉じた。
「陽向……」
優しい声のトーン。名を呼ばれ耳元に息遣い。直ぐにそれは首筋へと下りていき、柔らかな感触が触れた。
「あっ……」
怠い身体のそこから熱を感じる。首筋を行ったり来たり、跡を付けない程度に吸われる。僕の身体は疼き出した。
「んっ……」
シャツのボタンがゆっくり外され首筋から胸許へと柔らかな感触が下りていく。ビクンと身体が反応する。待ち切れなくて僕は優真の名前を呼んだ。
「あっ……んっ……ふぅん…」
乳首を舌と手で転がされ、手が滑り下りていく。じわっと滲み出る汗。優真の手が僕の下半身に辿り着いた時には僕はもう息絶え絶えだった。体力落ちているのかな…。
「優真……」
早く欲しい。自分でも恥ずかしいと思う。三日も熱に魘されて起きたら抱いてくれなんて正気じゃない。それでも求められずにはいられなかった。
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