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第13話

「ずっと一緒にいよう」  優真の言葉に涙が零れそうになる。こんな完璧なシチュエーションで完璧な台詞。僕の応えは一つに決まっているじゃないか。 「うん、ずっとだよ」  僕達は虹を見ながら改めて誓い合う。それから数カ月。僕らは例の後輩と言う彼女の結婚式に招待された。最初は僕なんかが行っていいの? 優真が出席するのならともかく二人揃ってなんておこがましくて。でも是非と言われたので僕は優真と共に出席した。  あの日嫉妬した相手は白いウエディングドレスに身を包んで、来てくれて有難うと泣いた。なんだかちょっと複雑。申し訳なさでいっぱいになった。その日は生憎の雨だったけど、教会から新郎新婦が出てくる瞬間に雨は上がり、あの日と同じように虹が掛かった。まるで二人を祝福しているみたいに。  階段を降りてきた新郎新婦。彼女は僕達の前で止まってこう言った。 「お二人みたいになれるよう頑張りますね」  同性婚が認められた今でも世間じゃ認知されていないのに彼女は堂々とそう言った。僕はあの日大騒ぎした事を反省しつつ、 「幸せに」  そう一言だけ伝えた。優真は隣で僕の頭をポンポンと撫でている。あの日こんな場所までやってくるなんて思いもしなかった。幸せにか……。僕等もこの教会だったけ。式は挙げてないけど籍を入れようと誓い合った。  僕らは披露宴の出席はお断りして教会に残った。 「懐かしいなここ」 「うん」  あの日は人がいない事を良い事にいけない事もしたっけ。ここに呼び出された時僕はまだ迷っていた。でも優真が答えをくれた。だから歩き出せた。新しいスタートはここから始まった。

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