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Continuing story…

この状況を何と呼べばいいだろうか。 新汰は困惑と恥ずかしさの入り混じった感情で奏汰を見上げた。 形の整った薄い唇が濡れている。 それはついさっきまで奏汰のものと重なっていたからだ。 その唇の感触思い出し顔が熱くなってくる。 目の前にいるのはいつもの優しくて聡明で頼り甲斐のある兄だ。 それなのに、今はどこか違う人に見えてたまらない。 生まれてから今朝まで、二人はどこにでもいる仲の良いだった。 しかし、たったこの数十分の間で何もかもが変わってしまった。 兄は弟である新汰を好きだと言い、そしてまた、弟である新汰も兄への想いを告げた。 一生口にはするまいと思っていた兄への恋慕を口にしてしまったのだ。 しかし、不思議と後悔はなかった。 それは兄の奏汰も同じらしい。 新汰を見下ろす奏汰の眼差しには少しの曇りや迷いなどないように見える。 一緒に落ちる相手が血の繋がりのある者だからだろうか。 それとも…共に落ちる相手がいるからか。 そのは奏汰と新汰の間でとらえどころのない笑みを浮かべていた。 「二人とも服脱ごうよ、ね?」 升谷が艶を帯びた声で促してきた。 困惑する新汰をよそに、奏汰は何の躊躇いもなく服を脱ぎ始める。 兄の行動に倣うように新汰も戸惑いながらもシャツのボタンに手をかけた。 二人の視線を感じながら肩からシャツを落とすと升谷がふふっと笑う。 「いいね。奏汰の出来上がった身体もいいけど、新汰くんの発達途中な感じも好きだな」 胸から腹筋にかけてを指先でつつ…と撫でなられて新汰は眉を顰めた。 しなやかな指先と、妖しく持ち上がった唇。 今にも透けてしまいそうな白い肌。 細い腰のライン。 升谷の全てが扇情的に見えたからだ。 新汰が好きなのは兄であって、決してこの男が好きなわけではない。 それなのになぜかこの男の放つ雰囲気に劣情を煽られてしまう。 押し倒して欲を突き立ててやりたい。 めちゃくちゃに揺さぶって抉って、この男の最も弱い場所に欲望を叩きつけてやりたい。 そんな気持ちがむくむくと頭を擡げてくるのだ。 新汰がそんな風に誰かに対して激しい情欲を抱くのは初めてだった。 兄についた虫たちの駆除中も、蝿を叩き落とすくらいの気持ちしかなかったのに。 「新汰くん、ね、挿れたい?それとも挿れられたい?」 升谷が唐突に訊ねてきた。 「え?」

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