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第6話

愛生side そんな話を淡々と、他人事のようになんの感情も見せずに話した。まるで童話を読み聞かせるように話して見せたのだ……。 たどたどしいのは相変わらずだったが、いつもよりは聞き取りやすくて、それが逆に辛さを感じさせた……。 「そうか、辛かったな」 「ヤなの……もう、ウリ……、辞めたいの…。でも、出来ない……です…。辛いだった…です……」 「今、誰の保護下に居るんだ…?」 「叔母さんが名前貸してくれてる…です。でも……、最近、体調良くない…。だから、もう貸したくない、言われた…です……」 「そうか…」 この後も、買ってくれる人を探しに行くと言うから、俺が彼を買う事にした。セックスはしない。しないが、買うと言わなければ泊まってくれないと思ったからだ。 コンコン……。中からは入れと声がした。いつも冷たく厳しい父の声だ…。 「失礼します。愛生です」 「愛生。何の用だ?」 「養子に迎えていただきたい子がいるのですが…」 「いつも家に来るあの子か?彼は、お前にとってどんな存在だ?」 「彼は、私の大切な人です。彼のことを私の一生を使い支えていきたいと、思っています」 「そうか…。手続きを、しよう。ただし、条件がある。その子に会わせてくれ」 父に言った言葉に嘘は無い。彼の話を聞いて、覚悟を決めた。二人で困難を乗り越えたいとそう思ったのだ。 だから、父に許可をもらった。養子婚を認めてもらうにはまず父に、彼が養子に入ることを認めてもらわなければいけないから…。

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