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月曜日の夜(6)

背中と膝の下に腕を挿し入れると、綾人は思ったよりもずっと軽く持ち上がった。筋肉質とはいえない自分でも、今の痩せた綾人をベッドまで運ぶくらいならできるだろうと思って抱き上げたのに。 羽のように軽い、とまではいわない。ただ、いくらひどく痩せているとはいえ、腕に感じるのは大人の男の重さではない。 体温は確かに感じるのに、その尋常でない軽さに、ぞっとした。 綾人が心配そうに見上げている。 和臣は不安に気づかれないよう、抱き上げた綾人の額にキスをして、足早にベッドルームに向かった。 部屋の入り口で電気のスイッチに手をやると、綾人が小さく抗議した。 「電気、つけないでよ…… 」 金曜日、電気を消すなと言ったナギサと同じ顔で。 「は、いまさら?」 和臣がそう言って笑うと、 「昨日までのは、違うから!」 綾人は恥ずかしそうににらんでから、顔を和臣の胸に押し付けた。 「あ……、んあ、あ…… っ」 後ろから腰を突くと、動きにあわせて綾人が艶のある声を上げた。押さえる腰も、つながっている部分も、熱い。 小麦色の後孔は、和臣のかたちに押し広げられている。抽挿するたびに、そのふちが性器に絡みついて、和臣は一層身体が熱くなった。 動きを速めると、綾人のうわずった声が一段高くなる。 「あっ、はぁ、あ……、や、やぁ、ま……っ、待って…… っ、あ…… っああ、ん…… っ」 ーー この状態での「待って」は、「いきそう」ってことだろ? 和臣は腰を動かしながら微笑んだ。 少し浅めに挿れて、先端で中をこする。綾人の前立腺から、ほんの少しずれた、いつもの「いいところ」。 ポイントから少しずれたもどかしさと、その合間に掠める、しびれるような刺激。それを繰り返すと、綾人は乱れる。 何度も身体を重ねた二人だからわかる、いつもの。 目の前で揺れるのがふわふわとした金髪でも、背中が小麦色でも、この身体はやはり綾人なんだ。 そう思うと、和臣は泣きたいくらいに愛しさがこみ上げた。 「か…… っ和臣……、待ってぇ…… っ、あ…… 、あん…… んっ、ん…… っ」 綾人が肩越しに、濡れた目で振り向く。 ―― わかってるよ。 どんなに乱れ、極まっても、綾人は後ろの刺激だけではイけない。ぎりぎりの寸止めがずっと続くと、つらくて泣いてしまう。 ーー それもかわいいけど、適当なところで助けてやらないと、苦しいんだよな…… うつぶせで両肘をシーツについた綾人の背中がだんだん低くなって、濡れたまつげが枕を濡らしたら、もう限界の合図だ。 「あ…… っ」 和臣が腰骨の下から綾人の性器をそっとつかむと、綾人がびくりと身体を震わせて目を閉じた。 後ろから突かれて揺れるそれは、破裂しそうなほど屹立している。先端から垂れる透明な液で、全体がローションで潤したかのように濡れていた。 和臣は腰を動かしながら、濡れたものを掌でしごく。 「んあ…… っ、あっ、あっ、は…… っ、あんん…… っ」 開いたままの唇から、綾人の乱れた声がもれる。和臣を包む綾人の肉襞が、一層きつく性器に絡みついた。 和臣は、搾り取るような肉襞の中で動きながら、先にもって行かれそうになる快感に耐えた。

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