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5-7※
「んぅ……ん」
園山の舌が口の中へと侵入してくる。舌同士が擦れあうと、身体の奥からぞわぞわとした感覚がこみ上げてきた。
(何で俺、こいつとキスしてるんだ? ていうか、まだ女子ともしたことないのに……っ)
「あ、初めてだったんだ」
「なっ、お前には関係ねーだろ!」
あっさりと見破られて、祥は顔を真っ赤に染めた。
どうして伝わってしまったのだろう。反応があまりにも初心 だったのだろうか。それはそれで恥ずかしい。
「かわいいね、井瀬塚」
また、キス落とされた。だが今度はそれと同時にパジャマの裾から手が忍び込んでくる。
下腹部から腰を撫で上げられ、祥の身体がひくん、と震えた。
「ん…んっ……ぅく」
その手は徐々に上へのぼっていき、胸の上で動きを止める。心臓はすでにもの凄い速さで拍動を繰り返しており、それが全て園山の手に感じ取られているのだと思うと、恥ずかしくて逃げ出したくなる。
しかし巧みに口の中をまさぐられているせいで、手足に上手く力が入らない。
祥は、もう逃げ出すことも、抗 うことも出来なくなっていた。
「ぷはっ、あ…そ、そのやま……」
ようやく唇が解放され、荒々しく呼吸をしていると、パジャマを胸の上までまくり上げられた。
園山は祥の薄い身体を、形を確かめるようにゆっくりと撫でてくる。
「井瀬塚、水泳部でしょ。こんなに細くて大丈夫?」
「ん…俺、筋肉つきにくくて……」
今はこんな話をしている場合ではない。
頭では分かっているのに、当たり前のように質問に答えてしまった。
「――あ、そこは……っ」
不意に胸の先を摘ままれて息を呑む。今まで意識していなかったところに急に訪れた刺激は、いとも簡単に祥を翻弄させていく。
「ねぇ、ここ気持ちいい?」
「や、くすぐったぃ……ぁ、あ!」
不確かな感覚に身をよじるが、園山はしつこくそこを弄ってくる。
そっと撫でられたり、押しつぶすようにされたりすると、勝手に喉が鳴ってしまう。
(なんだよ、これッ)
気持ちいいかなんて分からない。だって、こんなことをされるのは初めてなのだから。
これはただくすぐったいだけで、こんなシチュエーションだから敏感になりすぎているにすぎない。そうに決まっている。
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