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5-11※
「んっ、んん――はっ、あぁ……」
息が苦しくなりかけた頃、ようやく唇が解放される。
そして園山は祥の腰を抱え直し、小さく呟いた。
「動くよ」
「えっ? ――ぁあ! ちょ、いた……」
二人の身体が繋がり合った部分を軽く揺すられると、祥の中は痛みに竦んだ。
(クソ、何でこんなことに……ッ)
こんなことをされる理由が分からない。ちゃんと口で言ってくれなければ分からない。
「あ、ああっ……ぅあ」
だんだん速くる動きの中、園山は祥の感じやすいところを抉ってくる。
突かれるたびに腰が跳ね、先端からはとろとろと体液が零れていた。
痛いはずなのに、園山に与えられる刺激の中にはそれとは違うものが混ざっていて。
(なんだこれ……きもち、いいのか?)
祥はただ喘ぐことしかできなくなっていた。
激しく抜き差しされる中、目尻にキスを落とされる。
それが涙を拭うためだと分かり、初めて自分が泣いていることに気が付いた。
(あれ、なんで俺、泣いて――――)
その優しい仕草に、余計に涙が溢れてしまう。
「んっ……ひ、ぅ……んぁ」
次第に園山の荒い息づかいと、自分の啜り泣くような声しか聞こえなくなっていく。ソファが軋んでいるようだったが、そちらに注意を払う余裕などない。
「はっ、あぁ――ッあアぁあ!」
そして一番奥を強く突かれた時、祥は二度目の絶頂を迎えた。
「――っく…」
少し遅れて祥の中のものが大きく震えるのを感じたと思ったら、身体の中に熱いものが広がっていく。
祥がぐったりとしていると、園山は背中に腕を回し、そっと包み込んでくれる。
その温もりにほっとすると同時に、激しい眠気が祥の元へ訪れた。さっき寝たばかりだというのに、疲労困憊した祥の身体は尚も睡眠を求めている。
せめてその温もりの中で眠ろうと、祥も園山の背中に縋 った。おんぶされたときの心地よさを思い出したからだ。
汚れた身体を離そうともせずに、互いの体温を確かめ合う。
眠りに落ちる直前、園山は祥の耳に囁きを残していった。
「俺、人の心の声が聞こえるんだ。それでいつもヘッドホンをしてる」
(は? なに、言ってんの…いきなり……)
そんなこと突然言われても、信じられるわけがない。
だが園山は、さらに信じがたいことを告げる。
「俺、井瀬塚のことが好きなんだ。でも、今日でそれも終わりにするから……ごめんね」
(――だ、から…なんの、はなし……?)
心で思ってはいても、唇は動いてくれない。
その言葉の意味を確かめる余裕もなく、祥は再び深い眠りに落ちていった。
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