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8-4※
***
祥の部屋に着いた二人は、そのまま布団に倒れ込んだ。布団は今朝起きた時のままだ。
「祥――」
「永緒、ぅん、んんっ」
突如、激しい口付けに襲われる。口の中をかき回され、呼吸すらままならない。その間にも、永緒は祥のシャツのボタンを全て外し、ベルトも緩めてくる。
やっとキスが解けたかと思うと、今度はズボンと下着を剥ぎ取られた。膝を立てられ、秘めた場所を露わにされる。
「ちょ……永緒?」
不意に右手を取られ、永緒は祥の人差し指と中指を自身の口の中へと導いた。
雨に打たれて指先が冷たくなっていたせいで、口の中が熱く感じられる。
最初は全体をゆっくりと舐め上げていた舌が、やがて指に絡みつく。唾液が纏わり付いて、くちゅくちゅという音が鳴った。
柔らかい舌で擦られ、根元を舐められる。すると、祥の身体はくすぐったさに似た感覚に支配された。
次第に溢れた唾液が手の平を伝って手首のほうまで滴ってきて。
やっと指が解放されたかと思うと、永緒はそれを祥の足の間へ誘導した。
「な、何!?」
「ここ、自分で解してみて」
「はあ!? んなの、できな……」
「できるよ。自分が気持ちいいって思うように動かせばいい」
すると永緒は、祥の指を体の中へと押し込んでくる。
「あっ、やめ…」
指は濡れていたためすんなりと入ったが、まだ浅いところで止まっている。
永緒の手があるせいで後には引けず、恥ずかしさのあまり先に進むこともできない。
だが永緒は、そんな祥の指をさらに奥へと沈めてきた。
「あぁっ…」
その瞬間、中がきゅっと締まる。自分で自分の体内を探る感覚に、眉根を寄せた。
「ぅ、ん…あ、ゃあ……」
いつまで経っても指を動かせない祥を見かねてか、永緒もそこへ指を忍ばせてきた。
「あ、ああ……んぅ」
新たに入ってきた指は、祥の中を自由に探ってくる。
やがてそれに触発されたかのように、祥も指を動かし始めていた。
「ぁあ…あ、あァ」
身体の中にある二本の指が、どちらも違う動きをしている。
祥は自分の感じるところを刺激し、永緒は奥の方を突いてきた。
「ああッ、ながお、そこ…」
自分で刺激しているところに永緒の指も加わった。そこをぐっと押し込まれて腰が跳ねる。
「あぁ、ん…あ、あっ」
そうしてしばらく弄ばれている内に、後孔はどんどん綻んでいく。
幾分か解れてきたところに、永緒は祥の指をもう一本追加した。
圧迫感が増したが、祥は欲望のままに指を動かす。
「あぅ、っ……ああぁ」
気が付くと永緒の指は外れており、祥自身を弄り始めていた。
「ああ、ッ、ながぉ……」
「大丈夫。上手にできてるよ」
永緒はそう言うと、褒めるように祥の額にキスを落とす。自身を擦られ、中もより柔らかくなっていった。
「解れてきた?」
「うん……」
「確かめてみようか」
「えっ? あ…ぁああ!」
再び永緒の指が祥の中に這入ってきた。それも今度は二本一緒に。
確かめる、の言葉通りあちこちを擦り、絡みつく内壁をかき回す。同時にに自身を擦り上げられ、祥は恥も忘れてひたすら喘いだ。
「あァ、あっ…ぁああ!」
「腰、動いてるよ」
「えっ? ……ん、あっ」
指摘されるまで気が付かなかったが、永緒の手の動きに合わせて自ら腰を揺すっていた。
だが快感に支配された身体は、それを止めることなどできなくて。
「もう十分解れたね」
「ッああ」
その様子に満足げな笑みを浮かべた永緒は、祥のもろとも指を引き抜いた。
永緒の欲望が目の前に晒され、ひくつく後孔に押し当てられる。
「ぅ、あ……ん、うぅ」
「息止めないで」
「はぁ、あッ、は……ああ」
永緒が、ゆっくりと祥の中を犯していく。
十分すぎるほど解されたため痛くはなかったが、どうしても圧迫感を覚えてしまう。
やがて全てを収めきった永緒は、馴染むのを待ってから繋がった部分を軽く揺すり始めた。
「ゃ、ながお……そこ、はっ」
不意に永緒が上体をかがめてきて、胸に何度か口づけを落としてから、そこの尖りに辿り着く。柔らかい唇で吸い上げられるとじんじんと疼き、体の中心へと熱を集めていった。
「ぁああ、ぁ…だめ……っ、あ、ぁあ!」
軽く歯を立てられてのけぞった喉元を舐め上げる。それだけで祥の体は打ち震え、新たな感覚を全身で味わった。
だんだん大きくなる動きに、萎縮していた身体からも力が抜けていく。
「あ、ァあっ……は、ぁ……ん、ああぁッ」
揺さぶられる身体が心許なくて永緒に縋り付こうとしたら、祥の手がヘッドホンに当たって床に落ちてしまった。
「あ、ごめ……」
その時、祥の中にちょっとしたいたずら心が芽生えてくる。
「ながお、俺が、いま……っ、何考えてるか、分かるか?」
「分からないよ。だって……祥、気持ちよすぎて、何も考えられなくなってるでしょ」
「ははっ、あたり」
そうして再び熱いキスを交わす。二人は享楽的に互いを求め合った。
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