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第2話
「でも誠士って過去に何回もストーカー被害あったことあるんでしょ?」
三浦が俺に確認する。
そうなのである。俺はかっこよくないのによく被害にあっていた。ある時は家までついてこられたり、ある時は身の回りの物がなくなったり、隠し撮りの写真と一緒にラブレターがあったり…。
そのせいで軽く女不信になっている。
「超がつくほどの世話好きだからでねぇ。」
三浦が言うと、うんうんと頷きながら時枝と輪島が同意した。
「いやいやいや!困った人はほっとけないでしょ。」
俺はよく周りから世話好き、人好き、ボランティア精神の塊などと言われる。
確かに俺は困ってたり、人の手を借りたそうにしている人はほっとけない性分だ。両親がボランティア好きで、小さい頃から毎週のようについて行っていた。「困ってる人がいたら助けるのよ。」とよく言われてたので、刷り込みみたいになったのか、色んな人助けをした。まぁ、手を貸すと感謝もされるし、俺自身も嬉しかった。
大学に入っても性分は変わらず、今部活はボランティア部に所属している。
「でも俺も何度かストーカー合ってるから、ちゃんと予防してるし。年の近い女子には直接的には助けないようにしてる。」
過去の被害は全て俺が助けたことがきっかけになり、始まったことだった。なので、女子が困っているときは周りにいる人に声をかけて、助けてもらい、直接的に関わらないようにしている。
「最近女の子助けてないのか?」
「……うーん。記憶にはない。」
「じゃあ誰か特定難しいか。誰かわかればどうかなりそうだけどなぁ。」
「そうだよね〜。」
どうしていこうか考えていたら近くでガシャーンと大きな音が食堂に響く。
俺は反射的に腰を上げ、駆け寄った。
「大丈夫か?」
椅子に躓いたのか椅子と共に小柄で細い男子が食器を持ったまま倒れていた。
「う……痛い……。」
やや長めの茶色で緩くパーマをかけている頭をあげると、大きな二重がうるうると涙目になっている。
「って、中岡じゃないか。どっか打った?」
「…あ…、宮ヶ原君…。」
「痛ぇとこない?起きれるか?うわー、飯こぼしちゃったなぁ。」
俺は手を差し伸べ、中岡を起こす。「ありがと…。」と呟く声が聞こえた。
「飯で少し汚れたな。俺拭くもんとか持ってくるから待ってな。」
中岡の頭をぽんぽんと叩いてその場を離れる。
「宮ヶ原君………。」
中岡は俺の背中をじっと見ていた。
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