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第3話

食堂を綺麗にした後、中岡が膝と肘を打撲して痛がってた。服も汚れてたので、俺が湿布を買いに行った後、空き部屋で湿布を貼って、着替えは俺のTシャツを貸した(汗っかきなのでTシャツは常備してる)。友人3人は飯を食うとのことで、食堂にいるままだ。 「何から何までごめんね…。」 中岡が申し訳なさそうにこうべを垂れた。 「気にすんな。でも手足痛いんじゃ今日のゴミ拾いは難しいな。」 中岡は俺と同じ2年生でボランティア部に所属している。週末に河川敷でイベントがあるので、ゴミ拾いをしようとなっていた。 「痛みが引いたら参加する…。折角今日晴れたから。」 「参加したいよなー。雨続きでずっと先延ばしになってて、やっと今日だし。」 「てるてる坊主の効果だね。」 「本当効果あったなぁ〜って、おい!思い出させるなよ〜!」 思い出し、ぞぞぉと背筋に悪寒が走る。 ……ってかあれ? 「中岡にてるてる坊主のこと話たっけ…?」 てるてる坊主の話はさっきの友人にしたのが始めてだったのだ。 「…………さっきの会話でてるてる坊主って聞こえたから。」 「あっまじ?!声デカかったか。恥ずかしい。」 びびった。嫌な考えがよぎったけど、違ったようだ。ごめん中岡。 ぐぅ〜とお腹が鳴る。時計で時間を確認すると12時40分。飯を食べるならギリギリだ。 「じゃあ俺次授業入ってるから行くなー。無理はすんなよ!」 「う、うん!本当にありがとう。」 俺は急かすようにバタバタと食堂に向かった。ばたんとドアが閉まった後、中岡がぼそりと呟いた声は俺には届かなかった。

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