6 / 346

《2》

「なぁ、おじさんって!」 「うるせぇな、聞こえてる」 「聞こえてんなら返事位しろよ!何処行くのかって聞いてんだろ!?」 おじさんは、面倒臭そうに溜息を吐いて俺を一瞥する。 確かに迷惑を掛けている身分としては、面倒事に巻き込んでしまって申し訳ないと思う。 とはいえ、自分の生活が掛かっているのだ。 聞く権利位は主張したって罰は当たらないだろう。 「お前には、これから俺の知り合いの家で生活してもらう」 「知り合い?」  「そうだ」 おじさんの言葉の意味が分からず、俺の思考は一瞬停止する。 そして、時間をかけてその言葉の意味を理解した俺は、涼しい顔をして隣りで運転をしているおじさんを凝視した。 「…………む、無理っ!!無理だって!!」 秋人おじさんの知り合いなんて、今まで会った事もなければ、話に聞いた事も無い。 そもそも、自分が赤の他人と生活が出来るなんて思えない。 予想外の答えに、俺は慌てて首を振った。

ともだちにシェアしよう!