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最悪の出会い《1》

「着いたぞ」 そう言われて、車からおじさんが降りようとしている事に気がついた。 いつの間にか目的地に到着していたらしい。 慌てて俺も車を降りる。 車から降りた目の前には、少しばかり年数は経っていそうだけど、庭の広い立派な一軒家が建っていた。 庭には木が何本も植えられていて、池まである。 こんな家はテレビでしか見た事が無い。 まさか、俺がこれから暮らす家って、ここか? こんな大きな家でお世話になるなんて聞いていない。 見知らぬ家族の中で生活をするなんて、協調性の無い自分には到底無理だ。 やっぱり図々しくても、秋人おじさんの家に置いて貰いたいとお願いしよう。 そう思った時だった。 「秋人さん!」 突然家の方から聞こえた声に驚いて、振り向いた。

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