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《2》

前の学校は、見るからに不良というか、素行のあまり良くない奴らが結構居た。 だけど、転校先の学校では、それらしき人種があまり見当たらない。 その所為か、校門をくぐる前から、やたら視線を感じていた。 良次が言う様に、この派手な頭の所為かもしれない。 それは、担任に案内されて教室に入った時もそうだった。 「転校生の小野部利久君です。色々分からない事があると思うので、皆さん教えてあげてくださいね」 皆ヒソヒソと小声で話しながら、こっちを見ている。 完全に浮いている。 転校生なんて、大体浮くんだろうけど、 多分、それを差し引いても自分は良くない意味で目立っている様だった。 「えぇと、小野部の席は……」 「先生、僕の隣りが空いています」 すっと手を上げて微笑む良次と目が合い、反射的に口元が引き攣る。 最初こそ綺麗な笑顔だと思っていたその表情は、最早胡散臭さしか感じない。 「じゃあ、小野部の席は大和の隣りだな」 嫌です。 何て、言える訳もなく、俺は言われた席に大人しく座った。

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