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《2》

歩いて来れる距離に、こんなでかい公園があるんだな…。 公園には大きな池があって、ボートなんかにも乗れる設備もある。 看板に動物ふれあいコーナーの矢印が書いていたから、ちょっとした動物もいるらしかった。 散歩したり遊ぶには良い場所かもしれないと、何だか気分も上がった。 更に奥に行くと、草木が鬱蒼と繁っている場所があった。 行き止まりか…。 あれ? 一カ所だけ不自然に草むらが倒れている場所があり、そこを覗き込む。 獣道……? その先も、草花が倒れて道が続いていた。 何となくその道を辿っていく。 気分はもう、すっかり冒険気分だった。 道の先に開けた場所が見える。 そこに足を踏み入れようとして、聞こえてきた話し声に歩を止める。 そっと覗き込むと、そこには十数人の少年達が屯していた。 お…、何だ…? 不良グループの溜まり場か? 厄介な所に迷い込んでしまった。 自分がこの界隈の不良グループ達に目をつけられてるのは明白だったからだ。 売られた喧嘩を片っ端から買い、すべてぶちのめしてきたのだから、恨みを買うのは当然と言えば当然だ。 けれど、面倒に巻き込まれるのは御免だ。 自分は問題を起こさないと決めたばかりなのだから。 そう思い、見つからないうちに踵を返そうとした時だった。 (…………え?) 思わず出そうになる声を必死に呑み込んで、俺は草陰に隠れる。 「佐久間の調子はどうだ?」 「こないだ派手にやられたからな。骨も折れてるし、全治三週間ってとこかな」 俺は、何処のグループにも入った事は無いし、興味も無い。 だけど、集まっている奴らの中で、中心にいるのがこのグループの頭だという事位は分かる。 だけど、その中心にいたのは…、    (良…次…?) まさかと思ったけれど、 グループの中心にいるのは大和良次だった。

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