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《3》

もしかしたら、良次が不良グループに絡まれているだけかもしれない。 それならば、放っておく訳にはいかない。 俺はグループの頭数と周辺の経路を確認する。 数的に厳しいけれど、良次を逃がして、自分も逃げながら数をばらけさせ、数人ずつ相手にすれば勝てる自信がある。 だけど、良次は怯える様子も無く、煙草を取り出して咥える。 ライターから火を煙草に移す仕草は流れるようで、慣れているのが窺えた。 「早く佐久間には戻ってもらわねぇと」 「…今、他のグループが妙な動きをしている」 「妙な動き…?」 「幹部レベルの奴らが動いていない」 「何?」 「おかしいだろ?あいつらが大人しくしてるのは?」 「…近々、何かしら仕掛けてくるかもしれねぇな…。お前ら用心しとけ。青柳、菅野、お前らは他のグループが何企んでんのか探って来い」 「「はい!」」 指示を出している良次がリーダーなのは明らかだった。 えらいもんを見てしまった…。 別に、良次が不良グループのヘッドだろうが俺には関係の無い事だけど、ここは見なかった事にした方が良い。 良次も知られたくないだろうし。 そう結論に至って、俺は一歩足を引いた。 ーーーパキッ 小枝を踏んでしまったと同時に、乾いた音が響いた。 「誰だっ!?」 「ゃべっ……!!」 気付かれた!? 俺は、一目散に公園の外へ向かって走りだした。

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