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仄暗い穴の底《1》
身体が酷く重い。
頭も痛い。
良次の手の中で達した後、俺は放心状態で腕の拘束を解かれても暫くそのままだった。
茫然と何時までも動かない自分を見かねたのだろう。
動けない自分の後始末を良次がし、服を着せられた。
俺のでは無いから、多分良次の服だと思う。
サイズが、少しきつい。
その後、良次は何処かに行ったまま、帰って来なかった。
残されて一人になれば、段々と頭の奥が冷えてきて冷静になる。
自分が、一体何をしたというのだろう。
口封じでも、暴力ならばこれ程に打ちのめされる事も無かった。
あんな姿を晒してしまっただけではなく、動画まで撮られて…。
「っ…」
吐きそうだ…。
うまくやっていけるかもって…、
仲良くなれるかもって、
そう思ってたのに…。
何で、こんな事をされなきゃいけねぇんだ…。
悔しくて、
苦しくて、
情けなくて、
ただ泣いた。
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