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《2》
◇◇◇
「学校…行けなかったな…」
時計に目をやれば、もうとっくに学校が終わっている時間だった。
ベットから起き上がる。
いつの間にか泣き疲れて、眠っていたみたいだ。
あれだけ、ぬいぐるみが無ければ眠れないと思っていたのに、柔らかなベットの中では寝れるものかと変に感心した。
それどころか、ベットがフカフカで気持ち良すぎて、すっかり寝坊をしてしまった。
それだけ心身共に疲弊していたのもあるけれど。
ベットから抜け出そうとした時だった。
突然、ガチャリと音を立てて部屋の扉が開いた。
「………」
「………」
入ってきたのは、良次だった。
いや、ここは良次の家で良次の部屋なんだから、当たり前と言えば当たり前なんだけど。
咄嗟に、身構える。
「お前、具合悪いのか?」
「……え?」
急に声を掛けられて、拍子抜けした。
「今日、学校来なかったな」
その口ぶりから、昨日は帰って来なかったが、良次はいつも通り学校に行った様だった。
まるで何事も無かったかの様な良次の様子に、昨日の事は悪い夢だったのではないかと思う。
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