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《5》

「俺、今は実家だし、すぐには無理だけど、絶対売れて一人暮らしするからさ。そしたら、利久、一緒に暮らそうよ!」 「勇介…」 勇介の友情に胸が熱くなる。 俺の事を心配してくれて、色々考えてくれていたんだと思うと、感動で熱いものが込み上げてきた。 「ありがとな、本当お前は最高の親友だよ!!」 「わっ、だから苦しいって!」 勢い余って勇介に抱きつけば、勇介が苦しそうにギブギブと俺の腕をタップする。 二人でふざけて笑いあった。 勇介のお陰で、久しぶりに笑ったと思う。 「悪い、利久…。俺、これからバンドの練習があるから行かなきゃ…」 「忙しいのに、わざわざ会いに来てくれてありがとな。今度飯でも行こうぜ」 申し訳なさそうな勇介の肩を叩いてやれば、勇介は眉を下げて笑う。 駅に向かう勇介に手を振って、家に帰ろうとした時だった。 「…あ……」 振り返って固まる。 「良次……」 そこには、いつもの不機嫌そうな顔の良次が立っていた。

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