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《10》*

「…あ、あ…、りょ…、んぁ!」 朦朧とした頭の中で、必死に良次にしがみつく。 もっと。 もっと。 もっと。 抱き締めて欲しい。 「はっ…、お前…、可愛すぎ…」 何度も何度もキスをされる。 俺はされるがままで、初めて体験する快感に、唯々翻弄される。 「りょ、あ、も…、俺…!」 また、さっきの絶頂がもうソコまで来ていた。 良次も苦しそうに眉を顰めて、耐える様にしつつ腰を揺する。 「利久…、ごめん…。後で…、ちゃんと洗ってあげるから…」 朦朧としている頭では、良次が何を言ってるのか分からなかった。 訳も分からず、何度も頷けば、良次が愛おしそうに見つめる。 溶けてしまいそうだ。 「あっ、アアッ…!!」 「っ…、く…」 目の前がチカチカして、俺は良次の昂ぶりを咥えたまま、達した。 それと同時に、中の良次をキュウッと締め付けてしまう。 瞬間。 中に勢い良く熱いものが注がれる。 お腹の中が、燃えてしまうかと思った。 「ひ…ぁ…、お腹、熱いっ…」 「っ…」 びっくりして、焦点の定まらない目で良次を見つめて訴えれば、良次の喉が鳴った。

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