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《10》*
「あー…、あー…!」
喘ぎ声なのかも分からない声が、口から引っ切りなしに漏れる。
良次の腕が後ろから伸びてきて、俺の顎を拭う。
「よだれ垂らして、悦んじゃって…。そんなに良いのかよ?」
「りょう…、あっ、あ…はぁっ…!」
続けざまに前を扱かれながら、後ろも犯されて、泣きながら喘いでいた。
「ひぐっ…、ふぅっ、あっ、あっ…」
二度目の絶頂が、すぐそこまで来ていた。
「俺のものになれよ」
そう、囁かれる。
血液が沸騰しそうな程に、熱い。
ただ、良次に後ろを犯されて、どうにもならない高揚感に満たされていく。
自分は男なのに。
男に犯されて、女の子の様に喘いで、乱れて。
そんな事は嫌なのに、もう抵抗さえ出来ない。
ただ、良次にされるがまま、良次に抱かれて乱れる事しか出来ない。
「お前の中、すげぇ気持ちいい…」
「あぁっ…ん…」
耳朶を舐められながら囁かれて、思わず後ろがキュウッと締まる。
その所為で、中の良次を余計に感じてしまい、ぶるりと震えた。
「ぁっ…」
締め付けられた良次も、甘い吐息を漏らす。
その声は、今まで聞いた中で一番官能的な声で、その声にまで感じてしまう。
「ひっ、あっ、あぁっ!」
「好きだよ…、利久…!」
二度目の絶頂の間際、良次の声が浴室に反響して、俺の意識は遠くなっていった。
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