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Who is he?《1》
隣りの席を見るけれど、そこには良次の姿は無い。
また、今日も誰とも関わらず、一日が終わっていく筈だった。
「よ、小野部!」
急に目の前に現れた人物に驚く。
まさか、転校してきてから話し掛けられる日が来るなんて思ってもみなかったからだ。
「俺、折原優(おりはらゆう)って言うんだ。よろしくねぇ~」
ヘラヘラと笑いながら、優と名乗った奴は俺の前の席の椅子に座る。
俺と同じで金髪だけど、俺の市販薬で脱色しまくった金髪と違い、綺麗に均等に染まった金髪を肩まで伸ばしている。
耳にした赤いピアスが、明るい金髪によく映えていた。
身長も俺より少し高くて、八頭身位あるんじゃないだろうか。
見るからにコイツもイケメンだ。
「あ、ああ…」
思わず圧倒されて返事をすれば、優と名乗った相手が身を乗り出してくる。
「学校にはもう慣れた?」
「ま、まぁ」
馴れ馴れしく話し掛けてくる優に、少し怯む。
こんな風に話し掛けられたのは初めてだった。
こいつ、俺が恐くないのか?
内心で首を傾げる。
「顔色悪いなー。ちゃんと飯食ってる?」
「あ、ああ」
正直、この数日は色々考えてしまって、ろくに何も食べていなかった。
反射的に取り繕った俺の目の前に、何かが次々と差し出される。
「ほら、菓子パンだけど、食えよ」
「え!?」
机の上に置かれた大量の菓子パンに驚く。
「い、いい…っ、食欲ねぇし…」
「じゃあ、これ。栄養摂らなきゃ倒れちゃうよ?」
そう言いながら、今度はゼリー状や液体の栄養補助食品を鞄から取り出し、机の上に並べていく。
その皆と一緒の大きさの鞄から、どれだけ食料が出てくるのかと呆気に取られた。
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