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《2》
優に連れて行かれたのは、人気の無い空き教室だった。
元々は旧校舎で、今は使われておらず、廊下の奥にある為に存在自体を知らない人も多いのだと優が教えてくれた。
サボるには丁度良いのだと、優がニヤリと笑う。
勇介以外と学校で飯を食うなんて初めてで、何を話せば良いのか分からない。
話題に困っていると、優が先に口を開いた。
「小野部さ、元気ないよな。元々大人しいタイプでもなさそうだし…。……原因は良次?」
ビクリと身体が跳ねる。
急に出てきた良次の名前に、身体が強張る。
「図星?」
「な…んで…?」
「昨日は冗談って事にしちゃったけどさ。俺、知ってるんだよね~」
「!?」
「良次の事フったんだろ?」
「な…、に、言って…」
ーアンタさ、良次の新しい恋人なんでしょ?
昨日、冗談だと言われた言葉の事を言っているのだと気づいてゾッとした。
「いや~、俺もまさかと思ったよ。あの女好きが、まさか小野部みたいなでっかい野郎をなんてさ…。どうやってあの女好き落としたの?」
思わず立ち上がった瞬間、ガタリと椅子が後ろに倒れた。
「そんなナリして、男が好きなの?」
にっこりと優が微笑む。
それまでの人の良さそうな優の笑顔が、急に恐ろしく思えた。
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