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《8》
「どういう事だよ…?」
まだ一人、状況を飲み込めなくて、良次と優の顔を交互に見回す。
「俺、良次とは幼馴染みでさ、親友なの」
「親友!?」
「そ、小野部はもう知ってるみたいだから言うけど、コイツがリーダーのグループに俺も入ってたりなんかしちゃったりして」
「おい!学校でその話はよせ」
良次に注意されて、優がわざとらしく肩を竦める。
だから、良次の裏の顔の事も知っていたのかと納得した。
「じゃ、じゃあさっきのは…?」
だとしたら、何故自分は襲われかけたのだろう。
「いや~、コイツがさ、この世の終わりみたいな顔して俺の家に来てさ。あ、家に帰ってない間は、俺の家に泊まってたんだけどね」
「おいっ!」
余計な事は言うなという風な良次には構わずに、優が続ける。
「あの俺様が珍しく落ち込んでるから、問いただしたら、男にフラれて顔も見たくないとか言われたなんて言うから、もう大爆笑?ザマミロって感じ?」
「殺すぞ」
「いや、だって、女癖悪いお前が、まさか男に手ぇ出して、フラれて、死ぬ程ダメージ受けてんだもん。何の因果奔放かと思うじゃん。あの時、やっぱ神様っているんだなーと思ったね、俺は」
「因果奔放じゃねぇ、因果応報だ。馬鹿」
テンポの良い2人のやり取りに、ただ脱力する。
じゃあ、騒ぎになる事もないのかと、安堵の息を吐いた。
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