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家族《1》
「シャワーを浴びて、ベットに行こう。おいで…」
良次に手を引かれて、促されるまま、浴室へ連れて行かれる。
シャワーを浴びながら、また良次にキスをされて、一回。
ベットに着いてから、二回もセックスをして、これではまるで動物だと内心苦笑いをする。
今度は優しく抱かれて、気がつけば朝方だった。
「疲れた…」
ぐったりとベットに沈み込む俺に、ミネラルウォーターのペットボトルを差し出しながら、良次が苦笑いする。
「そんな一仕事終えたみたいな感じ、傷つくな」
「何が傷つくだよ…、散々好き勝手しやがって…」
「ごめん…、利久があんまり可愛いから、歯止めがきかなくて」
「………」
行為の間も、何度良次に可愛いと囁かれた事だろう。
やっぱり良次は変わっていると思うけれど、良次が変わっていて良かったとも思う。
そのお陰で、良次と両想いになれたのだから。
良次からペットボトルを受け取り、それに口をつける。
咽を水が滑り落ちていく。
散々泣いたり喘いだせいで、咽が異常に渇いていた。
ゴクゴクと音を立てて水を飲むと、ジッと良次が見つめてくる。
「あ…、いる?」
良次も咽が渇いているのだと思い、俺はペットボトルを差し出した。
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