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《5》
良次の話なのに、俺が良次に慰められてるのが変な気もしたけれど。
観覧車から降りて、遊園地を後にした。
その後、連れていかれたのは入った事も無いし、多分一生縁が無かったであろう高級そうなレストランだった。
「良次…、俺マナーなんか分からねぇし、こんな高そうな所連れて来られても…」
「心配しなくても、個室だから食い方なんか気にしなくて良いんだよ。箸の方が食いやすけりゃ、箸を頼んでやる」
「こ、個室…」
更に値段が張りそうなワードに、再び目眩がしそうだった。
料理はコースで、大きな皿に申し訳程度に飾りみたいな料理がちょこんと乗っている。
緊張して、味なんか分からない上に、こんなちょっとだと損した気分にならないのだろうかと不思議に思う。
良次は慣れているみたいで、ナイフとフォークを器用に使って料理を食べている。
食べ方、綺麗だな…。
ふと、そう思う。
きっと、良次は子供の頃から裕福な家庭で、テーブルマナー等も自然に身についているのだろう。
それに比べて、自分は使い慣れた箸ですら満足に扱えず、零したり、箸を落としたりと散々だった。
ただの食事なのに、店を出る頃にはへろへろだった。
「緊張してるのも可愛かったぜ」
「あ、悪趣味だ…」
俺は、じろりと良次を睨んだ。
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