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《3》
「僕の許可なく利久に近づかないで下さい」
「良次?」
優を睨みつける良次に、驚く。
普段と違う話し方に、そういえば学校では優等生キャラだった事を思い出す。
最初は胡散臭いと感じていた話し方が、今は格好いいと思いドキドキしてしまう。
それに気がついて、随分と自分も単純だなと、内心苦笑いする。
「おー、恐っ。束縛激しい男は嫌われるぜ?」
「貴方には前科がありますからね」
「だから、アレは演技で…。第一、俺が男をマジで襲う訳無いだろう。しかも、こんなでっかいの」
「デカくて悪かったな」
本気で襲われる心配がなくなった事に関しては良かったが、優に対して無性に腹が立つのは何故だろう…。
周りを気にして小声で言う優に、良次は鼻で笑う。
「どうだか…、利久は可愛いから、分からないでしょう」
「あ、あのなぁ~」
ガシガシと優が頭を掻く。
「小野部、コイツ何とかしてよ」
困り果てた声を上げる優に、首を振る。
「アレに関しては、すげぇ恐かったし、まだ許してねぇから」
「ちょ!?小野部!?」
周りが全て敵だと気づいた優が慌て出す。
良次に睨まれて可哀想な気もしたが、俺は暫く知らないフリを決め込む事にした。
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