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《4》

「俺より頭が良いアンタなら、とっくに分かってるだろう?今までは小野部利久の存在があったから大人しくしてたグループもある。うちもそうだ。唯一の救いは小野部利久が、どのグループにも属さない単独行動の一匹狼って事だった」 「お、俺…?」 何だか大それた話にギョッとする。 「それが俺達のグループに入ったなんて事になれば、奴ら総攻撃仕掛けてくるぜ」 「お、おい!待ってくれよ!」 自分の話なのに蚊帳の外に置かれていた俺は、物騒な話に慌てて割って入る。 「俺、グループになんて入るつもりねぇよ!喧嘩だって、好きでしてた訳じゃねぇんだ。たまたま絡まれる事が多くて、勝手に変な噂が広がって、迷惑してるのはこっちなんだ!」 俺の言葉に、天皇寺がハッと鼻を鳴らす。 「だ、そうだが?」 グループに入らないと主張する俺に、天皇寺が確認する様に良次に問いかける。 だが、良次はそれを見て、ニヤリと笑った。 「だから、コイツ守ってくれよ」 「何だと?」 「可愛い俺の恋人は、喧嘩が大層お嫌いなんだと。だから、頼むよ」 「ふざけるな…」 あからさまに不快感を露わにしている天皇寺に対して、急にふざけた口調が割って入ってきた。 「まぁまぁ、天皇寺。王様の命令は絶っ対~でしょ?」 「優!?」 間に入ってきたのは、優だった。

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