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《5》
突然現れた優に驚いて、その名前を呼んだ。
そういえば、優も良次のグループの一員だと前に話していた事を思い出す。
「おせぇよ、優」
「悪い、悪い。つうか、俺がいないのに面白そうな話してんじゃん?」
そう言って、優は俺の顔を見てにやりと笑う。
「要は、俺達のボスの大事なお姫様守りゃ良い訳でしょ?」
「お姫様…?」
優の言葉を聞いた全員が俺の顔を凝視する。
やめてくれ。
俺が言った訳じゃないのに、まるで俺が悪いみたいじゃねぇか。
何処の世界に、例えであったとしてもガタイの良い男を姫なんて呼ぶ奴がいるだろうか。
当の本人が、いかにもフォローした!という表情でこちらを見てきた事にも腹が立つ。
俺は、馬鹿な事を言い出した優をギロリと睨んだ。
「優…、ぶっ殺す…!」
「何で!?」
優が驚愕の声を上げる。
まさか、怒りの矛先が自分に向くとは思っていなかったらしい。
「はっ…、はははっ!」
唐突に、金髪碧眼が笑い出す。
俺はポカンとそれを見つめていた。
「いいね、うん。お姫様か。面白い」
そう言って、美少年はふわりと微笑んだ。
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