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《7》

「小野部利久がこちらについたと知れれば、他グループへの抑止力にもなる。少なくとも弱小グループは、こちらに下手に手を出せなくなるんじゃないかな?」 「…っ」 良次の側についた美少年の言葉に、完全に風向きが変わる。 その様子に、黒ずくめが舌打ちをする。 「何にしろ、幹部のうち三人が賛成なら問題ないっしょ?」 優が追い打ちをかけると、それまで黙り込んでいた茶髪が立ち上がる。 「それ、俺も入ってる…?」 「何だよ、紫苑。不満か?」 「俺は、リーダーが決めた事には何でも従う」 「じゃ、決まりだな。良いだろ、天皇寺」 「勝手にしろ」 茶髪とやり取りしていた優が、黒ずくめに確認する。 もう何を言っても無駄だと思ったのか、素っ気なく黒ずくめが言い放った。 「それじゃあ、決まりだな」 それまで傍観していた良次がにやりと笑った。 「って事なんで、よろしく頼むわ」 そう群衆に向かって言い放つ。 そんな簡単に言うけれど、良次のチームのメンバーが簡単に納得するとは思えなかった。 だが、良次がそう言うと、そこにいる全員がワッと沸いた。 「………え?」 聞こえてくるのは歓声で、意外な反応に、俺はただただ呆然と立ち尽くしていた。

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