168 / 346
《8》*
「先走りすげぇんだけど…?」
「し…、しらな……!」
咎める様な良次の声に、必死に首を横に振る。
首を振った拍子に、目尻に溜まった涙が溢れた。
「知らない筈ないだろう?」
そう言って、良次の綺麗な指が俺の張り詰めたモノに伸びる。
「ほら、こんなに滑ってる…」
「あっ…あぁっ…や…」
俺の状態を分からせる様に、わざと先走りを塗り広げながら形をなぞっていく。
濡れた音が、更に羞恥を煽る。
身悶える俺を、良次は観察でもする様に見下ろしていた。
「本当に…可愛いな、お前」
不意にケーキのクリームをペニスに塗られて、冷たさにビクリと震える。
信じられない事に驚いて、一瞬何が起こっているのか分からなかった。
だが、それでも萎えなかったのは、その行為があまりに淫靡だったからかもしれない。
「な、何…!?」
「まさか、男のモノをしゃぶりたいと思う日が来るとは思わなかったけどな」
良次の台詞にまさかと思う。
そして、まさかと思った時には良次にペニスを深く飲み込まれていた。
「あっ、あっ…!」
初めて体感する、熱い、湿った感覚に、俺は目を見開いて身体を仰け反らせた。
ともだちにシェアしよう!