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《13》*
そんな俺の気持ちを、まるで伝わっているという様に、良次が俺の耳朶に口づけながら囁く。
「今度は俺の事も、こっちで気持ちよくしてくれよ」
溜め息混じりの良次の言葉に、その声にさえ感じてしまい、ぶるりと身震いする。
指を引き抜かれ、入り口の周りをゆっくりとなぞられる。
ヒクヒクと待ち侘びた奥が期待に疼いているのが、自分でも分かった。
「俺…の中で、気持ちよくなって…」
そう強請る様に言った声は、自分でも信じられない位甘ったるい声だった。
自分の声に驚いている暇も無く、良次の熱棒が押し当てられる。
焼かれてしまいそうな熱さに、ヒュッと喉が鳴った。
「アアーッ!」
次の瞬間、今度は焦らす事なく突き入れられて、悲鳴を上げてしまう。
良次の舌で、充分に濡らされてはいるけれど、ローションを使った時程のスムーズさは無い。
ズズッと内壁を擦る感覚に、目の前を火花が散る。
「あっ、あぁっ!」
やっとの思いで良次を受け入れた頃には、痛みとも快感ともつかない感覚に、涙と涎でぐしゃぐしゃだった。
そんな追い詰められた状況でも、無意識に腰が揺れる。
徐々に大きくなる良次の動きに、いつしか快感に呑み込まれていく。
濡れた音がリビングに響いていた。
「利久…、好きだよ…」
朦朧とした意識の中で、良次の囁く声が聞こえた。
良次と、ずっと一緒にいたい。
そう心で想いながら、俺は良次に抱かれて絶頂を迎えた。
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